大手損害保険企業

背景

クライアント社内のデジタルマーケティング統括組織において、社内の複数の部署から相談の声が寄せられている一方で、案件のスタックが発生している状況にあった。

今回のクライアント部署は、社内のデジタルマーケティングに関する統括組織であり、自社のオフィシャルサイトを始めとして、自社の商品やサービスを主管する部署からの相談を受ける役割を有していた。

大企業であるため、今回ご依頼を頂いた部署に相談を持ち掛ける社内部署も多数に上る一方で、対応するためのリソースが十分でないという背景が存在していた。

課題

部署内に人員自体はいるものの、各案件を統括するためのPM/PMOの経験・スキルを有したメンバーが不足しているという点が課題であった。

クライアント部署からのご依頼内容を整理・検討した結果、次のような課題が明らかとなった。

1. PMの役割を担うメンバーの稼働が不足
2. デジマ全体を見通した課題解決が十分でない
3. 各部門の課題感と実施施策がかみ合わない

端的にまとめると、「人的なリソースは揃っているが、PM／PMOの経験・スキルセットを持ったメンバーが不足している」という点が課題となっていた。

取り組み

クライアントの業務実態に則した、PM／PMO業務のフォーマット・マニュアル作成。ならびに、OJT形式の業務定着支援を実行した。

課題解決の方向性としては、専門性を有していないメンバーであっても、最低限PM／PMOとしての業務を行える体制を構築することがゴールとなった。

その為、本プロジェクトの具体的な取り組みとして、1.既存タスクのフォーマット化と、2.フォーマットを活用した業務定着の支援の2点を実施した。

1. 既存タスクのフォーマット化では、クライアント内で実行中の案件や施策を提供資料の読み込みや打ち合わせへの参加、個別のヒアリングを実施することで現状を把握。その上で、フォーマット作成に必要な観点や、具体的なタスクの整理を実施した。
2. フォーマットを活用した業務定着の支援では、①で作成したフォーマットを用いて実際の案件を対応を行い、フォーマット自体の有効性の確認や、内容の調整を実施した。
   具体的には、クライアントが有するWebサービスの機能改善や、個別のエンドクライアントに対するマーケティング施策実施に向けて、本プロジェクトのクライアントとなっている部署の担当者と並走する形で各種検討に参画し、OJT形式で業務定着に向けた伴走支援を実施した。

また、業務定着支援によって、クライアント社内の業務実態の詳細把握も行い、より実態に即した形でフォーマットのカスタマイズを行うことができた。

成果

経験／スキル面において不足していたメンバーが、マニュアルの活用と定着を通じて、主体的／積極的にプロジェクトリードを行うことが可能となった。

本プロジェクトでは、クライアントの部署内で実施中の施策や案件にもとづき、各施策・案件の進行に必要な知識や、考え方、進め方についてフォーマット化を行った。

その結果、専門領域外の相談であっても本フォーマットを活用することで、これまでにPM／PMOとしてプロジェクトマネジメントの経験を十分に積んでいないメンバーであっても、施策の検討／実施の要点を掴んだ案件の相談が可能となり、クライアント部署のメンバーが積極的／主体的に社内のDXを推進できるための環境構築に繋がる結果となった。

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