ペンディングしていたプロジェクトを再推進するためには?④

- インプットポイント
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- ファーストデジタルのプロジェクト型支援について知ることができる
- ペンディングしたプロジェクトを再推進させるためのヒントを知ることできる
本シリーズでは、弊社がご担当させていただいたプロジェクトの中でも、プロジェクトオーナーの方から高い評価をいただいた「システムリプレイス支援」に関する1つの事例をご紹介しています。
前回の記事(『ペンディングしていたプロジェクトを再推進するためには?③』)では、クライアント社内で利用中のデータ基盤を新規データ基盤に移行する際の「移行パターン」について、最適な移行パターンを見出すための評価観点/評価軸の策定が完了し、実際の移行パターン評価に入るところまでをご紹介しました。
今回は、本プロジェクトにおけるクライマックス、最終提案に至るまでの経緯とそれ対するクライアントからのご感想等についてご紹介します。本記事を通し、ファーストデジタルがご提供するプロジェクト型支援コンサルティングのイメージをより明確にイメージいただけますと幸いです。
【プロジェクトの概要】
①クライアントのご要望
- 社内の一部組織で利用しているデータ基盤を、会社全体のデータ利活用のために、他のデータ基盤へ移行したい。
- 現在利用中のデータ基盤は、商品企画・開発のための分析・可視化基盤と連携させているため、そちらへの影響も加味した上で移行の絵姿を検討したい。
②プロジェクト背景
以前、同様の目的を掲げたプロジェクトがクライアント社内で立ち上がったものの、移行コストがネックとなりペンディングしている。
③プロジェクトのゴール
ペンディング中のプロジェクトを再推進すること。
特に、「移行コストを上回るメリットを、説得力をもって提示できる」ことが、プロジェクト再推進のカギとなる。
④プロジェクトスケジュール
全体的なプロジェクトスケジュールは下図の通り。前回は、この内STEP2~3の途中までの内容を深掘りした。
今回は、Step3の残り~Step4(赤枠部分)について紹介させていただく。
⑤本シリーズ記事①~③において行ったこと(総まとめ)
- シリーズ①
Step1「インプット収集フェーズ」
各種資料の読み込みとヒアリングを行った結果、分析・可視化の品質維持が重要な要件と判明し、移行には周辺システムを考慮することが不可欠となった。
- シリーズ②、③
Step2「検討観点/評価観点整理フェーズ」
システム移行に当たり、どこまでの範囲を/どの程度移行するかという「移行パターンの検討」の他、クライアントにとって最適な移行パターンを選定するための各パターンに対する評価観点/評価軸の検討を行った。
Step3「移行メリット/デメリットの整理フェーズ」
各移行パターンにおける機能面/業務面への影響を明確化するため、業務フロー整理や各業務における要求仕様の洗い出しまでを行った。
STEP3の振り返り
まずは前回の記事(「ペンディングしていたプロジェクトを再推進するためには?③」)を読んで下さった方、誠にありがとうございました。前回の記事は非常に内容が濃かったため、読むのに多少なりとも体力が必要だったかと思います。今回の記事は、前回記載したStep3の続きから解説を行うため、まずはStep3の内容を簡単にまとめるところから始めます。Step3の作業としては、以下のようなことを行っていました。
- 「最適な移行パターン」を見つけるための評価観点/評価軸に基づき各移行パターンを評価するためには、評価対象である各移行パターンの内容を詳細化する必要が生じた。詳細化に当たっては、システムをどこまでの範囲でどのように組み合わせるか(IT観点での分類)/そのシステムの組み合わせ方によってどのような業務が発生するか(業務観点での分類)、2つの観点から詳細化を行った。
- 特に、「業務観点での分類」では、業務整理用のシート(図1)を用いつつ、移行パターン毎の業務フローを整理し、各業務を実現するための要求仕様を洗い出した。
- 各移行パターンにて洗い出された要求仕様は、各要求実現のためのコストを見積もることによって、その移行パターンが実現可能か否かの指標になる。そのため、各移行パターン毎に要求仕様を一覧化し、それぞれに対するコスト評価をすることにした。(図2)


今回は、図2のようなシートを用いつつ行った「各移行パターンのコスト評価」からどのように最終提案に繋げ、クライアントからどのような評価をいただいたかをご紹介します。
「移行パターンのコスト評価」が目指すものは?
移行パターンを評価するフェーズに当たっては、どのような形式で評価するか(数値による評価/○×形式での評価/など)、特に数値化して評価する場合は定量評価の難しいものをどのように数値化するか等を社内で議論し、クライアントに同意を得た上で実際の評価に入ります。
ここまで決まれば、後は各シートを埋めた上、横並びに比較評価することで、最も推奨される移行パターンを選定することができます。選定された移行パターンは、クライアントに合意頂ければ、ペンディング中プロジェクトを再推進する際の方針案となり、関係各署に提示することが可能となります。よって、本シリーズ第2回でご紹介した内容から今回まで、一連で続く「最適な移行パターンの選定作業」が、本プロジェクトの山場であり、現在ご紹介している検討作業はその完了を目前とした作業でした。
プロジェクト再推進のための方針確定は目前!追加発生した「ツール選定」
移行パターンの精査が終わり、精査結果と弊社からのご提案をクライアントにお持ちした結果、クライアントからは「精査された比較評価のためには、分析・可視化基盤自体の比較評価も必須」とのご指摘をいただきました。ここで、弊社でもサービスの一つとしてご提供している「ツール選定」が加わります。
ツール選定においては、既にクライアントからのご要望で比較対象が決まっていたこと、分析・可視化基盤の利用目的もこれまでの検討で明確に定まっていたことから、比較対象とその評価観点は明白です。少々検討を必要としたものは評価軸でしたが、これについてもこれまでクライアントにお伺いした課題感/要望などを整理することで、洗い出すことが出来ました。(図3)

最適な移行パターンの吟味とプロジェクトの行方
上記「ツール選定」実施後、弊社は、ツール選定結果を元とした移行パターンの再比較結果をまとめ上げ、最適な移行パターンに関する結論をクライアントに再提示。プロジェクトを再推進する上で前提となるデータ基盤移行プロジェクトのプロジェクト方針を定めるに至りました。また、これにより、本プロジェクトの関係者間でプロジェクト再推進の合意を得ることができ、その後のフェーズでは、統合後の具体的なシステムのToBe像/業務フロー、必要な機能などの詳細要件定義、実行計画の基礎を固めることが出来ました。
結果、一連のプロジェクトの振り返りとして、クライアントからは「これまでにファーストデジタル様から出てくる資料のまとめ方やクオリティが非常に良かった。特に、プロジェクトの進め方について高く評価しており、諸々の要件にも遅れることなく対応していただいたき安心感があった。」とのお言葉を頂くことが出来ました。更に、他のプロジェクトにもご協力させていただけるなど、弊社がご提供するサービス品質にご好評をいただくことができました。
まとめ
本シリーズは今回が最後となりますが、如何でしたか?全記事内容が濃厚だったため、中にはお疲れの方もいらっしゃるかもしれません。そのような方には、是非とも本シリーズで掲載している図だけでも再度閲覧いただけますと幸いです。本シリーズで掲載している図は、一部省略や修正があるものの、その全てが実際にクライアントの皆様にご提示する成果物例に近いものとなっています。そのため、その図を確認するだけでも、弊社がクライアントの皆様にご提供する内容をご想像いただけると思います。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。ご覧になっている皆様にとって、本記事が、弊社の提供する「プロジェクト型支援」コンサルティングについてイメージを膨らませる一助になりましたら幸いです。

- マガジン編集部
- この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。
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