2023.05.31

組織に多様性が必要な理由~DXコンサルが目指す組織像~

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組織に多様性が必要な理由~DXコンサルが目指す組織像~
インプットポイント
  • ダイバーシティ&インクルージョンの重要性を理解できる
  • 多様性の受け入れに必要な取り組みについて知ることができる
  • DXを実現するために必要な組織像を理解できる

ダイバーシティ&インクルージョン(以降D&I)とは、“多様な人材を活かし、その能力が発揮できるようにする取り組み”を意味します。ダイバーシティ(=多様性)の実現には、単に会社において人材の多様性を高めることだけを目的とするのではなく、その多様な人材が能力を発揮できる組織風土づくりを行うことが必要であり、そういった概念として昨今D&Iの重要性が謳われています。

多様性が重要であることは世間的に認知が進んでいると感じる中、なぜ多様性が重要かを理解している人は、どれくらいいるでしょうか。

本記事では、D&Iについて理解し、どのように組織に多様性を受け入れていくべきかについて考え、さらにFirst Digital(以降FD)が目指す組織像についてご説明したいと思います。

なぜ組織に多様性が必要なのか

各企業では、優秀な人材を採用することを目指して日々採用活動に励んでいると思います。優秀な人材は1人でも良い戦略を立て、問題なくプロジェクトを進めるという点においては十分に活躍する人材であると思います。

しかし、人は誰しも異なる視点を持ち、思考には偏りがあるものです。優秀な人材であっても同じで、個人の能力だけで何かを考えるよりも、複数人のチームを組み、思考の偏りを排除し多様な視点を受け入れて考えることで、より正解に近い練った検討が出来、組織の集合知が上がることでパフォーマンスが向上することがあらゆる実験や研究で科学的に明らかになっています。

それが単純なタスク(例えば機械組み立ての作業員、マラソン選手など)の場合は多様性を考慮するより単純にその作業が得意な人を選出すれば良いですが、頭をひねって考えるような複雑なタスク(何か事件を解決する、戦略を立てる、経済分析を行うなど)の場合は認知的多様性が重要になってきます。

組織に多様性を受け入れるポイント

では、組織に多様性を受け入れていく時、どのような観点で実行していくべきかを考えてきましょう。

①多様な人材のアサイン

多様性の種類としては、大きく以下の分類があります。

  • 人口統計学的多様性:統計学的な性質の違い(性別、年齢、国籍、人種、社会的階級、信仰など)
  • 認知的多様性:ものの見方や考え方の違い(無自覚のため、他の認知を持つ他者とのコミュニケーションでしか気づくことができない)

組織に多様性を受け入れる目的は組織の集合知を上げることなので、本質的には2点目の認知的多様性が異なる人材を組織に入れ意見を反映していく営みが必要ですが、実際は人口統計学的多様性が異なれば認知的多様性が異なることが多いため、組織を考える際には人口統計学的多様性がある人材をアサインしていくこととなります。

注意が必要なのは、人口統計学的多様性があっても(性別や年齢が異なっても)、例えば同じ地域・大学・学部出身であればものの見方や考え方が似通ってくるため、単純に人口統計学多様性がある人材ではなく、可能な限り別のバックグラウンドを持つ人材を意識的にアサインしていく必要があります。

また、組織の各メンバーにあまり知識が無ければ意見を組み合わせても正解にたどり着けないため、賢い個人で多様性のある組織を作ることも重要であり、以下の図3のような、優秀かつ多様な人材で、必要な認知が満たされた状態の組織作りを目指す必要があります。

※引用文献 『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』

②多様な意見の受け入れ

これまでもご説明してきたようにD&Iは多様な人材のみでなく多様な意見を受け入れることが重要であり、組織の中でしっかりその意見が反映される土壌づくりを行う必要がありますが、メンバーの意見が反映されない課題として、以下のことがよく発生します。

  • 無意識のバイアスに気づかない

アンコシャス・バイアスとも言われますが、無意識のバイアスとは、自分自身は気づいていないものの見方や捉え方のゆがみや偏りのことを指します。例えば、子供のいる女性は仕事を制限したいだろう、新人からは有益な意見が出てこないだろう、といったような偏見を誰しも無意識に持ってしまっていると思います。そういったバイアスによって意見を言っても反映されなかったり、そもそも仕事や立場を制限される可能性があるため、無意識のバイアスがあることを認知した上でメンバーとのコミュニケーションを密にしていく必要があります。

  • 心理的安全性が無い

組織に圧倒的なリーダー的存在がいる場合、主張が強い人材がいる場合など、メンバーが自分の意見を発言しづらい局面があっては、多様な人材をアサインしてもその意見が反映されることはありません。組織内でお互いの存在・意見を尊重し、相手を受け入れる文化を作っていくことが重要になります。

  • 他者の意見に流される

人は他人の意見に同調してしまう傾向にあり、他の人が発言するとその意見が正しいと思い自分の意見があっても言えない、もしくは自分の意見が出てこなくなることがよく起こります。特にそれは自分が尊敬する人や組織のリーダーが発言することに同調しやすくなるため、多様な意見を反映するためには、発言順序を決め下位メンバーから発言しリーダーが最後に発言するようにしたり、チームメンバーでのディスカッションの前に各メンバーで自分の意見をしっかり考える時間を作るなど、多様な意見を引き出す工夫が必要になります。

D&Iを実現するためには、上記のような課題を排除・解決しながら組織作りおよび文化作りを行っていく必要があります。

FDが目指す組織像

さて、ここまでD&Iが重要であること、その実現内容を語らせていただきましたが、FDとしてもD&Iの取り組みは非常に重要だと考えており、実際にその実現に向けて取り組んでいる最中です。

FDはDX(デジタルトランスフォーメーション)時代の担い手として、クライアントビジネスの変革を支援するコンサルティングサービスを提供しています。DXとは、デジタル技術を活用し、業務プロセスやビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立することを意味しますが、そういった革新的な取り組みを行っていく上で、多様性が必須であると考えています。

DXを実現していくためにはこれまでに無い新しい想像を生み出していく必要がありますが、これまでずっと同じ仕事をしてきた人材、同じプロセスで今の職場に行きついた仲間の中で新しい想像をしていくことは難しく、これまでの流れを変えていくには多様な意見を取り入れ、多角的な議論をしていくことが重要になってくると考えています。

我々は、自社を成長させ流動的なビジネスの世界を生き抜くためもそうですが、コンサルティングサービスを提供する立場としてクライアントに多角的なアウトプットを提供できる組織を目指し、採用やアサインの際に多様性を反映させられる取り組みを行っています。

まだ小規模な企業ですが、DXコンサルタントとしてあるべき姿、あるべき組織像を念頭に企業をグロースさせていきたいと考えています。

マガジン編集部
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この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。

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