データ活用の事例まとめ~クレジットカード・新聞メディア・航空の3業界に学ぶ「データの活かし方」と始め方~
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インプットポイント
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- クレジットカード・新聞メディア・航空の3業界における、具体的なデータ活用事例
- 業界を超えて共通する「データ活用がうまくいく型」
- 自社でデータ活用を始めるための土台(データドリブン経営・データマネジメント)
「自社にもデータはあるが、どう活かせばいいか分からない」――そんな実務担当の方に向けて、本記事では、過去に執筆してきた業界別のデータ活用事例を整理しました。事例から自社への応用のヒントを得たうえで、最後に「何から始めればよいか」までを一本にまとめています。
- INDEX
業界別データ活用事例:クレジットカード・メディア・航空
事例は「数」で眺めるより、「どんなデータを・何の判断に・どう活かしたか」という視点で読むと、自社への応用が見えてきます。
1. クレジットカード業界 ― 決済データを「購買行動」として活かす
カードの決済データは、消費者のリアルな購買行動がそのまま記録された、活用余地の大きいデータです。たとえばクレディセゾンは会員データを集約するプライベートDMPを構築し、パーソナライズした情報配信や、法人顧客向けの1to1広告・DM配信といったマーケティング支援へ展開。決済データとAIを掛け合わせる動きも進んでいます。
- 扱うデータ:会員の属性・決済・関連サービス利用データ
- 活用の狙い:パーソナライズ配信、法人向けマーケティング支援
- ポイント:大量に貯まる決済データを、自社施策にとどめず対外的なソリューションへ広げる
2. 新聞・メディア業界 ― 購読者データを編集と新規事業の両輪に
紙からデジタルへの移行が進む中、購読者の属性や閲覧行動のデータが蓄積されるようになりました。これを編集判断やコンテンツ最適化に使うだけでなく、対外的なデータ提供や新規事業へと広げる動きが見られます。
- 扱うデータ:購読者の属性・閲覧/行動ログ
- 活用の狙い:コンテンツ最適化、購読継続率の向上、新たな収益源の創出
- ポイント:「読まれるコンテンツづくり」と「データそのものの事業化」を両立させる
詳しくは:新聞業界で進むデジタル化とデータ活用事例
3. 航空業界 ― 旅客データで販売を「小売化」する(MAR)
航空券の売り方が、運賃表ベースの販売から大きく変わりつつあります。IATA(国際航空運送協会)が提唱する「Modern Airline Retail(MAR)」は、航空会社自身が「どんな商品を、どう届けるか」を設計する、小売業のような販売モデルへの転換です。これを支えるのが、旅客の属性や行動を踏まえた商品設計とパーソナライズです。
- 扱うデータ:旅客の属性・予約/搭乗履歴・付帯サービス利用データ
- 活用の狙い:個客に合わせた商品・運賃の提供、付加価値販売
- ポイント:流通任せだった販売を、データを起点に自社主導の「リテール」へ作り替え
詳しくは:航空業界のDX ~Modern Airline Retail(MAR)入門~
事例から見える、データ活用がうまくいく「型」
業界もデータもばらばらな3つの事例ですが、うまくいっているケースには共通する型があります。
- 目的が先、データが後:「何の意思決定・体験を良くするか」を定めてから、必要なデータを整えている
- データを統合して「顧客」を捉えている:決済・行動・取引といった断片を、一人の顧客像として束ねている
- 集めたデータを顧客価値に還元している:分析で終わらず、パーソナライズや新サービスとして顧客に返している
逆に、基盤を作っただけで「何に使うか」が曖昧なままだと、データは活用されずに眠ってしまいます。
自社でデータ活用を始めるには ― 3つの土台
事例を自社で再現するには、その裏にある土台が必要です。実務で進めるなら、次の順で押さえるのが現実的です。
① 組織で「データドリブン経営」の方向性を揃える
データドリブン経営とは、勘や経験だけに頼らず、データに基づいて意思決定を行う経営のあり方です。特定のツール導入の話ではなく、組織全体でデータの「収集→整備→分析→活用」を回し続ける取り組みである点が重要です。どんなに立派な基盤を入れても、組織として「何のために使うのか」が揃っていなければデータは活かされません。
詳しくは:データドリブン経営とは?データドリブンな組織を作るために必要なこと
② 社内のデータを整える ― マスターデータマネジメント(MDM)
「同じ顧客が部門ごとに別人として登録されている」といった分断があると、その上でどんな施策を打っても精度は上がりません。マスターデータマネジメント(MDM)は、顧客・商品といった基幹データの定義を全社で統一・統制する取り組みで、データ活用を支える足場になります。
詳しくは:マスターデータマネジメント(MDM)とは?~企業のデータ活用推進の取り組み~
③ 社外のデータと安全に掛け合わせる ― データクリーンルーム
自社データだけでは見えない顧客像を補うには、社外データとの掛け合わせが有効です。しかしプライバシー規制が強まる中、個人情報をそのままやり取りするのは現実的ではありません。データクリーンルーム(DCR)は、プロバイダーの厳格な管理下でデータをハッシュ化したまま掛け合わせ、個人情報そのものを取得せずに分析・施策へ活かせる仕組みで、サードパーティCookie規制を乗り越える手段として広がっています。
詳しくは:データクリーンルームとは?~進むCookie規制に対する新たな解~
まとめ:データ活用は「目的→整える→活かす」の順で動く
データ活用は、「組織で目的を揃える→データを整える・つなぐ→業界の文脈で活かす」という流れで初めて成果につながります。3業界の事例に共通していたのも、まさにこの順序でした。
自社にどんなデータが眠っていて、それを「何の判断・体験」に活かせるか。まずはここを一つ定めることが出発点です。
ファーストデジタルでは、データ活用の戦略検討から、基盤・データマネジメントの整備、業界特性を踏まえた施策の実行・運用定着までを一気通貫でご支援しています。「データはあるが活かせていない」「どこから着手すべきか分からない」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。
Profile

2023年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。




