2023.03.06

マーケティング戦略検討のフレームワークを応用して採用活動を改善する試み

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マーケティング戦略検討のフレームワークを応用して採用活動を改善する試み
インプットポイント
  • マーケティング戦略は採用にも応用できる

DXの重要性が叫ばれる昨今、クライアントにDXコンサルティングを提供している弊社にとって、サービスを支える人材の確保は重要な課題です。

一方で人材市場においては、デジタル人材の需要と供給が極めてアンバランスな状況となっており、日夜争奪戦が繰り広げられています。

本記事の読者の方はご存知のように、弊社は残念なことにネームバリューが強い会社であるとは言えません。 そんな中、会社の未来を担う優秀な人材の採用を実現するため、いかに競争を勝ち抜いていくか、という発想のもと社内で取り組んだプロジェクトの事例をご紹介します。

FDが置かれている環境の分析

まず、現在弊社が置かれている状況について、主に内部環境の面から分析を行いました。

主には、現在の社員構成(年齢、職位、経験などなど)や案件内容から、現在のFDにおいて最も優先度の高い採用ターゲットはどのレイヤーか、という検討になります。

あまり詳しい内容には触れませんが、あまり経験のないジュニアな層を採用して育てることで裾野を広げたいのか、それとも現在裾野は十分に広い中でさらにスケールするためにミドルマネジメントが必要なのか、あるいは事業責任者クラスが欲しいのか、というような内容について、経営陣も交えながら短期的なプロジェクトのデリバリーから中長期的に目指すFDの理想像まで含め、改めてディスカッションを行い、優先すべき採用ターゲットについて決定しました。

加えて、外的環境においても、主に自社における競合と比較した場合の強み/弱みについて分析を行いました。

ここで注意が必要なのが、大半の会社が、マーケティングや営業において自社の強み/弱みは十分に検討していると思いますが、その強み/弱みを採用活動においてそのまま流用することはできない、という点です。

採用活動において分析が必要となるのは、クライアントに向けた自社サービスの強み/弱みでなく、従業員視点での労働環境としての強み/弱みの分析です。 以前よりは転職が一般的になったとはいえ、複数社を渡り歩いている人材はさほど多くないでしょうから、自社を客観的に見ることは難しいものですが、採用において適切に自社をアピールし、求職者に選ばれるためには労働環境の強み/弱みの言語化は必要不可欠です。

ターゲット像の深掘り

前項において決定した優先すべき採用ターゲットについて、次はより一層の深掘りを行います。

弊社の求める人材としてのスキルセットだけでなく、弊社の環境にフィットしそうなパーソナリティ、そのような人がどんな理由で転職を検討するのか。

その人が転職をしようと思った場合には、どのような媒体で転職先を探すのか、転職先に求めるものは何か、といった内容について検討を行いました。

具体的には、マーケティング戦略の検討で行うのと同様に、ターゲットのペルソナを定義し、そのニーズを洗い出し、ターゲットが転職を検討開始してから最終的に入社(コンバージョン)に至るまでのカスタマージャーニーを描きました。 この作業を行うことにより、ターゲットと自社のタッチポイントを把握し、前項で触れた強み/弱みをどこにどのように配置すれば効果的にターゲットにアピールできるのか、ということが見えてきます。

採用施策の検討

ここからは具体的に、採用活動の改善に入っていきます。

前項までの検討を通じ、

  • 求めるターゲットに対し、適切なチャネルを選択できていない
  • 自社の強みをアピールし切れていない、伝わっていない
  • 求めるターゲット像と応募者が合致しているか、判断基準が属人的

などなどの問題が見えてきました。(挙げているのはあくまで一例です)

これら、AsIsの上手く行っていない採用活動とToBeとしての理想的な採用活動とのギャップを埋めるために、ボトルネックとなっているポイントに対しどのような施策を行うべきか、洗い出しを行いました。

また、その取り組みに必要なコスト(費用/期間)や取り組みの重要度/緊急度などもジャッジを行い、短期的に大きな効果が見込める施策から順次詳細を詰め、逐次施策を実施していきました。

一度限りのプロジェクトで終わりではない

さて、今回の記事では実は、あえて取り組みの内容を極めて抽象的な記載に留めています。

その理由として、本プロジェクトのアウトプットは、あくまで現在の弊社の環境にのみ通用する、極めて局所的な解であり、他社においてそのまま施策を真似したところで大した効果が見込めるものではないからです。

それよりもなによりも、本取り組みにより弊社の採用活動には確実に効果が出ていますが、その要因として非常に大きかったのは、施策等のアウトプットそのものより、プロジェクトの運営を通じ関係者が一堂に会して密にディスカッションを行うことで、

  • 弊社が置かれている状況
  • 弊社が求める人物像
  • 求める人物像との合致度の判断基準

等々を、参加者全員が腹落ちした状態で共有することができた、ということに尽きます。

これにより、本プロジェクトにおいて実施を決めた各施策に取り組む際、参加者がその目的まで深く理解した状態で取り組むことができるため、やらされ仕事ではなく主体性を持って取り組むことができるのです。

この手法で採用の改善に取り組むことで、弊社では実際に採用者の質は落とすことなく採用数を増加させることができており、一定の成果が上がっていると評価しています。

そのため、採用活動にお悩みの皆様におかれましては、是非本プロジェクトのような取り組みを、採用に関わる関係者を集めて、実際に手を動かして体験していただきたいのです。

またこのような取り組みは、一度やって終わりというものではなく、会社の置かれた環境が変わるたびに定期的に取り組み、ブラッシュアップしていく必要があるものです。 マーケティング戦略においても同様ですが、自社の置かれた環境を適切に振り返り、その時々で最も必要なアクションを実行する、というサイクルを、定期的に回していける環境・文化づくりこそが、採用活動の改善のために真に必要なことだと考えています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

「マーケティングとは商売そのものであり、ひいては経営そのもの」というようなことは巷間よく言われますが、そういう意味では採用活動もまた商売/経営そのものであると言えるのではないかと思います。

本文中にも記載したとおり、本記事のような取り組みは是非皆様自身の手で行ってみて頂きたいところですが、いきなりうまく運営できるか自信がない、という場合であれば弊社でご支援も可能です。

採用にお悩みの担当者様は、是非一度ご相談ください。

Profile

打桐 烈Manager
神戸大学卒業後、株式会社ワークスアプリケーションズに入社。EC、タレントマネジメントなどの業務システムの開発を担当。その後スマホアプリ受託開発企業における法人営業、SI企業におけるSalesforce向け自社アプリ開発マネージャーを経て、2021年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。
打桐 烈
打桐 烈
この記事は打桐 烈が執筆・編集しました。

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