2024.07.03

【書評】人を動かす原則

  • 組織開発
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【書評】人を動かす原則
インプットポイント
  • 人とよりよい関係を築きあげる方法が分かる。
  • 人間関係による悩みを減らせる。

仕事を進める上で、コミュニケーションが非常に重要なことは言わずもがなである。

社内外問わず、人間関係を円滑に保ち、営業活動を成功させるためには、人間の心理や行動原則について深く理解することが欠かせない。

究極、仕事は人と人とのコミュニケーションによって成り立っているからだ。

本書を読み進めることで、スムーズな人間関係の構築・営業のコツについて自身の理解を深めるとともに、要旨や感想を下記にまとめる。

表紙画像:人を動かす原則
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2017/12/14
著者:レス・ギブリン
翻訳:弓場 隆

【書籍の特徴】対人関係におけるエッセンスを分かりやすく、短時間で学べる。

本書は、対人関係やコミュニケーションの原則を100ページ前後でまとめてあり、短時間で分かりやすく学べる内容になっている。

またGE 、メリルリンチ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、米国大企業の研修にも使われており、累計500万部の売り上げ。半世紀以上読み継がれる隠れた傑作として知られている。

コミュニケーションスキルを向上させたいあらゆる世代の方にオススメの一冊だ。

【目次と要旨】褒め言葉は無料で幾らでも使うことができ、あなたの周りの人間関係をよりよいものに変えられるツール。

第1部 人間関係で最も重要な「自尊心」を学ぶ

その1 人間関係には技術が必要だ

・表面的な小手先のテクニックを学んでも、1人1人に刺さるコミュニケーションは異なるので意味がない。

→人間の本性・行動原理さえ掴んでおけば、幾らでも応用が効きくので、その他の人間と良好な関係を築く為の土台ができる。

「根本的な原理に限り、人間の本性はみな同じである。」

その2 相手の自尊心を満たすことを心がける

・自己中心的な人やあらゆる物事に対して否定から入る人は、自尊心が高すぎるのではなく低すぎることが原因。

→相手の粗探しをするのではなく、褒めて自尊心を高めてあげれば、両者間のコミュニケーションは気持ちがよいものになる。

第2部 相手を受け入れ、価値を高める

その3 人を惹きつける方法

・相手を受け入れ、認めて、高く評価することが大切。

→相手を受け入れる人の周りには、多くの人が集まってくる。

その4 相手に「自己重要感」を与える

・他人の自尊心を満たせるという「力」を持っていることを自覚する。この力は無料な上に、幾らでも使っても枯渇しない。

→使わずにいるのは勿体ない。使用すればいつか何処かで、知らず知らずの内に自分へと返ってくる。

その5 影響力を活用する

・誰もが他人をコントロールする力を持っている。会う約束をすれば相手の時間を拘束出来るし、無礼を働けば相手を怒らせることだって出来る。

→自分の行動次第で相手の気持ちや行動を変えることが出来ることを理解し、自身の立ち振る舞いには気をつけなければいけない。

第3部 言葉や振る舞いで人を動かす

その6 話す力を磨く

・あなたが自分のことを話したくて堪らないように、相手も自分のことを話したくて堪らない。

→自分のことは最低限を話すくらいに留めておき、相手にスポットライトを当てた話題を続けることがコミュニケーションのコツ。

その7 相手の話をじっくり聞く

・誰もが自分の話は聞く価値があると思っているし、聞いて貰いたいから話している。

→相手の話をじっくりと聞いてあげることで相手は満足し、自尊心を満たすことが出来る。結果、話を聞くだけで相手は自分に好印象を抱いてくれる。

その8 相手を上手に説得する

・相手に考え方を変えさせたいとき、論理的に正しいことを証明し、無理矢理yesを言わせたところで、潜在意識下では納得しない。

→相手を捩じ伏せるのではなく、自分と同じ考えになって貰うことを念頭に、話し方を考える必要がある。

その9 心をこめてほめる

・褒め言葉を伝えると、相手にポジティブなエネルギーが生まれる。

→誠実な気持ちで、具体的に褒めてあげることがコツ。

その10 上手に注意を与える

・心掛けたい事は、自尊心を傷付けることなく、相手をより良い方向へ導くこと。

→1対1で話合いの場を設けたり、褒め言葉で前置きしたり、友好的な雰囲気で終われるように工夫をすることが大切。

【感想】気持ちのよいコミュニケーションを作る為、簡単に実践できることがあると教えてくれる。

家族に、よく頑張っていると言われたい。

友人に、頼りになるよと言われたい。

恋人に、あなたと一緒にいると楽しいと言われたい。

会社の上司に、また成果を上げたなと言われたい。

同僚に言われたい。

後輩にも言われたい。

皆さんの心の中にも、誰かに認められたい気持ちはあるだろうか。

人は誰しもが認められたい生き物だから、褒め言葉がよりよいコミュニケーションを作っていくという内容には納得がいった。特に、最近のSNSにおける承認欲求の追求と、それに対する「いいね」システムが幅広く普及し、浸透している理由が理解できた気がする。認めて欲しい気持ちは普遍的なものだ。

結局、誰しもが自分のことを気にかけて欲しいのである。

あなたがあなたの周りにいる人を認めてあげれば、その人の自尊心は高まり余裕が生まれる。認められて満たされると、その人には自分以外の他人に気をかける余裕が生まれ、また周りの誰かに優しさを配っていく。そうしてあなたを中心に、世界は誰もが認め合い、尊重し合えるものに作り替えられていく。

互いに認め合う輪が広がっていく。

これこそ、ハッピーという言葉を使わずして何と言うのだろうか。

私もこの本の内容を、仕事だけでなく日常生活にも取り入れ、人の良い面を見つけては褒めるようにしている。ただ本書を紹介するには、やや抵抗があった。それは自分の手の内を明かすことになるからだ。

本書を片手に、チャットツールで褒め言葉を打っている様には、ある種の気恥ずかしさにも似たようなものを感じることもある。

だが、この書評を読んだ社内の方々が、

「やたらと褒めてくる。今、本の内容を実践してるんだな。」

と、微笑ましい気持ちになってくれれば、私のコミュニケーション能力はきっとうまく機能している筈だ。

マガジン編集部
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この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。

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