2022.07.28

【インタビュー】いま、企業がコンサルタントに求めているものは?ソリューション開発・営業支援プロジェクトを通して見えてきたこと

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【インタビュー】いま、企業がコンサルタントに求めているものは?ソリューション開発・営業支援プロジェクトを通して見えてきたこと
インプットポイント
  • 新しい領域のビジネスに挑戦するときに、コンサルタントを活用した事例を知る。
  • プロジェクト概要:ソリューション開発と動作検証、立ち上げたソリューションの営業活動、期間1年間

新型コロナ禍の影響もあり、お客様が新しいビジネス領域へチャレンジすることが多くみられるようになりました。こうした状況の中で、コンサルタントに求められることも変わってきているように感じます。弊社コンサルタントの木田祐輔(以下、木田)も同じように感じている一人ですが、どのようにお客様の要求に応えているのか実際に参加しているプロジェクトを例に、インタビュー形式でご紹介します。ファーストデジタルとご自身の今後についても語ってもらいました。

コンサルタント木田とファーストデジタルの現在

まず、木田さんの今までのキャリアについて教えてください。

木田
制作プロダクションでWEBデザイナーからキャリアをスタートしました。その後は広告代理店でコミュニケーションデザイン、SIerでデジタルマーケティングコンサルタントを経て、ファーストデジタルにコンサルタントとして転職しました。弊社のメンバーの中でも、携わってきた職種の幅は広い方だと思います。

次に所属するファーストデジタルの特徴を教えてもらえますか?

木田
特徴はデジタル領域で純粋なコンサルティングに特化しているところです。競合は広告代理店やIT系コンサルティングファームなどが挙げられますが、広告代理店に対してはITノウハウやコンサルティングスキルで優位性があり、IT系コンサルティングファームに対しはてビジネスやデジタル領域におけるノウハウで優位性があると考えています。

ファーストデジタルの強みをどのように考えていますか?

木田
弊社のようなベンチャーコンサルティングファームは社員一人ひとりのスキルやノウハウが会社の価値に直結すると考えています。採用基準を厳しくして人材を積極的に採用しているので、優秀な人材が多く在籍していることが強みと考えています。

どのような資質を重視して人材を採用していますか?

木田
学歴などの過去の経歴にとらわれず、モチベーションや思考力、コミュニケーションスキルなどを見極めた上で人材を採用することを徹底しています。弊社の若手社員のポテンシャルやモチベーションが非常に高く、仕事に面白みを感じて前向きに取り組んでいるメンバーばかりで、会社が成長する原動力となっています。

参加したプロジェクトは、新たなビジネス領域におけるソリューション開発と案件づくりへのチャレンジ

これから本題に入りたいと思います。コンサルタントに求められているものを知るために、まずは参加しているプロジェクトについて教えていただけますか?

木田
お客様(インフラやネットワークを扱う大手SIer)に常駐し、デジタルマーケティング関連ソリューションの企画・立ち上げ・拡販などを支援しています。ソリューション自体の機能を検討し、お客様の顧客(主に情報通信・金融などの業界)に対してソリューションを紹介し、PoC(新システムのアイデアの実効性の検証)などの取り組みに繋げていくための営業支援が主な業務内容です。

ソリューション企画や提案活動というのは、具体的にどのような業務を行っているのでしょうか?

木田
まず、顧客企業を理解するためにデスクトップ調査で中期経営計画、アニュアルレポート、決算報告書、各種記事、セミナーなどの情報を収集します。調査した結果を参考にして顧客のおかれている状況や課題を仮説設定し、課題解決に必要なソリューションが何かを考え、企画・提案を行います。提案の際、顧客の具体的な課題をヒアリングすることで、既存のソリューションに足りない要素や改善点を把握し顧客のニーズに合わせて改善を繰り返すのです。

ソリューションの開発だけでなく営業支援もされていますが、実際に営業活動もするのでしょうか?

木田
お客様はこれまでインフラ・ネットワークなどのIT分野を主戦場にしてきましたが、DX(以下、デジタルトランスフォーメーション)で活況を呈しているデジタルマーケティングなどの新たなビジネス領域において、ソリューション開発と案件づくりへのチャレンジしている状況です。ビジネス領域が違えば営業活動も異なりますので、提案したソリューションが顧客に導入されるように支援し、営業活動そのものをブラッシュアップする作業を繰り返しています。

一方的に行っていた営業活動を、顧客が抱えている課題を引き出せるフローに変える

木田さんが参加された初期の営業活動にはどのような問題があったのでしょうか?

木田
私がプロジェクトに参加した当初は、顧客の心理状況等を考慮せずに提案資料を作り、営業活動を行っていました。私が担当しているデジタルマーケティング領域のソリューションについては、業界や顧客のビジネスモデルに合わせて開発する必要があり、画一的な提案内容では顧客になかなか必要性を理解してもらえませんでした。

営業活動の見直しはどのように進めましたか

木田
まず着手したことは、提案資料の精度を高めるために顧客ごとにペルソナとカスタマージャーニーを策定したことです。認知、情報収集、比較検討などの顧客の購買活動の各段階において、思考や感情を仮説設定し、各段階に最適な提案資料を用意して提案に臨むようにしたのです。提案資料の内容が最適化され顧客に伝わりやすくなったことで、顧客の抱えている課題も引き出しやすくなり、理想のソリューションに近づける時間を短縮できるようになりました。

営業活動のブラッシュアップは、具体的にどのように行ったのでしょうか?

木田
一例になりますが、営業の世界では有名な「営業の4つの不(不信・不要・不適・不急)」という概念に沿って営業活動を再構築するような取り組みもしました。説明しますと、顧客が購入に至らない原因を追究すると、不信(信用ができない)、不要(自分に必要と感じない)、不適(自分に適していると思わない)、不急(すぐに購入する必要がない)の4つに大別されると言われています。
そこで、顧客が購入に至らない対策として以下の①~④のように、4つの行動を設定することにしました。
 ①不信:顧客の状況を理解していることを、営業活動を通して伝える
 ②不要:なぜこのソリューションが必要なのか顧客の課題に沿って提案する
 ③不適:課題解決につながる機能や費用対効果の分かる価値を提供する
 ④不急:インタビューを行い現場の声や実際の課題やTOBE像を数値なども使って具体化する

顧客が置かれている状況や顧客のニーズを深く理解するようになり、課題に対する打ち手と理想的なソリューションを具体化し、ソリューションを導入する効果について説明することで提案が通りやすくなり、営業確度を上げることに成功しました。

外部のメンバーがプロジェクトを牽引することは確かに重いですね。難しいと感じたことなどはありますか?

木田
実際に営業活動を支援することも、自分で営業することも初めての経験でした。私はコロナ前に営業をしたことが無いので比較はできませんが、相手の表情が見えにくいテレワーク環境でのプレゼンを行うことが多いです。テレワークによるプレゼンは、顧客と同じ画面を見ながら話しを進めることができるので情報を伝えることには向いていますが、実際に顧客が提案を聞いてくれているだろうか?顔がみえないが、不穏な空気になっていないだろうか?など、相手の空気感がわからないためコミュニケーション上のロスが多いように感じます。その分、資料作成に手間を掛け顧客へのヒアリングを入念するようにしています。

お客様の要望を尊重し、独自のアイデアを創出することを求められている

世の中の状況や環境が大きく変化していると思いますが、仕事環境にも変化はありますか?

木田
新型コロナ禍において、様々な業界で特に守りの領域のデジタル化が進みました。感染状況が落ち着いてきたこともあり、攻めの領域においても前向きな取り組みが増えてきたと感じています。ポストコロナの観点で、より高度なデータ活用を目指す企業も多くみられるようになり、我々のような企業に対して単純なシステム導入支援だけではなくDXを実現するためのアイデアやビジネスを共創する姿勢が求められていると感じています。

お客様からコンサルタントに求められていることは何ですか?

木田
様々であると思いますが、基本的には第三者目線での客観的な示唆を求めてられていると感じています。まず、自分たちの得意分野・ノウハウや知見を役立てることができるスコープを定め、それぞれの企業のビジネスを理解した上で、自分なりのアイデアを創出することが求められています。

アイデアの創出が重要になると思いますが、アイデアはすぐに浮かぶものでしょうか?

木田
コンサルタントは3C、4P、SWOT分析などのフレームワークを活用し、アウトプットを検討する中で、アイデアが浮かび改善策を考えているイメージがあると思いますが、独自のアイデアはそれだけでは出てきません。私個人の資質としてはアイデアが多く浮かぶ方ではないのですが、日常の生活でも仕事のことやお客様のことを頭の片隅に置いておき、外出先で見聞きし感じたことなど、些細なことをきっかけにアイデアが浮かぶことが少なくないです。

お客様から求められることに対して、他にも大切にしていることはありますか?

木田
お客様の要望を可能な限り尊重することです。企業の歴史や文化次第で正解の形も様々に変わるので、一般論を優先しすぎないよう、お客様と対話を重ね、お客様にとっての最適解を模索するよう努めています。まだ、営業活動の見直しは始まったばかりで、案件化もこれから本格化して今後も軌道修正を繰り返すことになりますが、この考え方は変えないようにしたいです。

本格的な活動が始まると思いますが、現時点でお客様からどのように評価をされていますか?

木田
3ヶ月単位で都度更新する契約だったのですが、更新いただき1年ほど継続いただけているので、一定の評価は得られていると考えています。プロジェクト責任者からは、ソリューションの企画や営業が立ち行かなくなるのでしばらくはメンバーから外せないとも言われています。その期待に応えるためにも、アイデアを創出し続け、より深くプロジェクトに携わり、お客様に対して数字面でも成果をお返しできるよう、ソリューションを改善しつつ効果的かつ効率的な営業活動を推進することで貢献していきたいと強く思っています。結果的このプロジェクトに関わるメンバーが増え、プロジェクトの規模も大きくなっていけばと思っています。

ファーストデジタルとコンサルタント木田のこれから

世の中の変化に合わせて、ファーストデジタルはどのようにするべきと考えていますか?

木田
企業がDXを実現するにあたって、素早く形にし、それをもとにトライアンドエラーを繰り返し、新たなビジネスや提供価値を模索するような取り組みが非常に重要だと考えています。プロジェクトの上流部分のコンサルティングノウハウだけでなく、実装に関わる知見やノウハウも併せ持つことで、より深くお客様のDX推進に踏み込むことができると思います。今まで通りプロジェクトの上流にこだわりつつ、自分たちが描いたTOBE像のフィージビリティー検証やPoCなど、上流工程の精度をさらに高めるためにも、自社だけで提案内容の実行・実装ができる体制があると良いと考えています。

それでは、最後の質問になりますがが、今後のキャリアプランはどのように考えていますか?

木田
実は学生時代から独立したいと考えおり、実現するためのスキルアップを狙って転職してきました。現在の職種であるコンサルタントは「ゼロ」を「イチ」にする役割を担うことも多く、さらなるスキルアップの意味では、最高の環境にいると感じています。その一方で、仕事の裁量をほぼ100%持つことができているので、会社に支配されている感覚がなく独立をしたいという気持ちは以前ほど強くはありません。自分がコンサルタントとしての経験を重ねつつ、メンバーを育て、より大きな仕事へ携わっていきたいと考えています。また、この会社をもっと良くするために会社の経営にも積極的に関わって行きたいです。

Profile

木田 祐輔Manager
北九州市⽴⼤学卒業後、広告プロダクションを経て、不動産領域のデジタルマーケティングに特化 したWEB広告代理店に⼊社。コミュニケーションデザインセクションのマネージャーとして、⼤⼿不動産企業の事業戦略やデジタルマーケティング戦略の⽴案、新ブランドや会員組織の⽴ち上げに関わる施策⽴案等、プロデューサー・ディレクション業務に従事。某SIerにおいて仁科のもとでデジタルマーケティングコンサルタントとして就業後、2020年から株式会社ファーストデジタルにジョイン。
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この記事はマガジン編集部が執筆・編集しました。

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